少女ロボット
ともさかりえ

少女ロボット 01少女ロボット
02いけない子
03日本に生まれて
計12：12

評価：★★★（林檎のロボットと化したともさかりえ）

以前から交流があり、アルバムにも曲を提供していた椎名林檎が全面的にバックアップして制作されたマキシ・シングル。重く歪んだエレピの（筋肉少女帯の［これでいいのだ］にソックリな）リフが鮮烈なタイトル曲。ノイズ、不協和音、金切り音響など林檎の『勝訴ストリップ』で提示したサイバー・パンクを更に突き詰めたサウンドだ。今までも“サカトモエリ”という変名でラテン・ポップスを披露したこともある彼女ですが、まさかここまで変貌できるとは露とも思いませんでした。ヴォーカルまでが林檎では？と思わせるほど、あたかも林檎のロボットのごとく従順に林檎ワールドに染まっています。

[02]はラジオ体操のようなコミカルなピアノで始まります。が、しかしアッという間にバリバリ歪ませたギターが振り下ろれ、結局グチャグチャになっていく。[03]が『勝訴〜』の終曲のような仰々しいバラード。エンディングで、喧噪から唐突に静まる瞬間が美しい。

通して楽曲は悪くない。ただあまりのインダストリアルなアレンジに、はたしてともさかりえのヴォーカルが浮き立ったかどうか。彼女のヴォーカル・スタイルは全編ストレートに歌うことなく、囁くように、詩を読むように、自我を抑えるかのように……

〈2001.07〉